日銀の追加緩和と円安
今日は、日銀の追加緩和と円安について書いてみたいと思います。
10月31日に日銀は追加緩和の決定を打ち出しました。
今回の追加緩和策は、かなりのサプライズを伴ったことで 為替も急激な円安と
なりました。ドル円は一時115円代にまで乗せました。
急激な円安の要因の1つめは、10月29日に発表されたアメリカの量的緩和の終了の
決定でした。
これにより、アメリカの利上げが来年の早い時期になるのではないかという憶測がさらに高まりを見せています。ただし、利上げの時期については今後の雇用情勢やインフレ率を見極めながら慎重に決めていくとのことです。そして、アメリカの量的緩和終了の発表のわずか2日後に、日本が追加緩和の決定を発表したことで、日本のデフレ脱却に対する
強い意思が世界中にアピールされ、円売りが再び加速される状況になりました。
急激な円安の要因の2つめは、今回の日銀による追加緩和策の内容です。それは、年間の長期国債の買い入れ額を50兆円から80兆円に増やし、またETFの買い入れ額を年間1兆円から3兆円に増やすという思い切った内容です。
早速、今月の5日には、ETFが380億円で買い入れされたようです。
今後、アメリカは国債の購入を抑え、逆に日本は国債の購入を増やすというスタンスの 違いが示されたことになり、現時点では、ドル買い円売りがされやすい状況になって
います。
一方、6日には、欧州ECBも追加緩和措置を打ち出す姿勢を示しました。欧州も日本と同じ政策の意思を持っているため、欧州も日本と同様、金融緩和を今後も続けていきそうです。
心配なのは、金融緩和もいつかは終了させなければならないので、日欧ともにその出口
戦略に行き着けることができるかどうかという点です。出口が見つからない場合は、財政ファイナンスを実行してしまうのではないかという恐れを感じます。
現在、日本は、消費税10%導入を予定どおり来年の10月に実施するのかどうかが焦点になっています。
近年、円安傾向が続いていますが、これによる弊害も多く、なかなか経済が好転している状況ではないようです。
現在、ガソリン価格もレギュラーでリッター160円ぐらいですが、これは現在の原油の 国際価格がかなり下落していまっている状況下での金額です。
将来、原油の国際価格は再び上昇する可能性が高く、そうなれば国内の原油価格も上昇
して、経済が悪影響をうける恐れがあります。追加緩和は、円安を助長させていますが、やはり過度の円安は望ましくありません。私自身、適正な円安とは、ドル円では90円 から100円ぐらいまでではないかと思っています。
来年の10月に消費税10%が導入された場合、そのときに円安による弊害が国内に
大きく波及していないことを祈りたいところです。
以上、日銀の追加緩和と円安についての記事でした。
2014年11月9日