コロナ対策 自動車は窓を開けても効果がない どうすればいい
新型コロナウィルスの第3波の流行で、感染が拡大しています。
今一度、個人が3密を避け、感染対策をしっかり徹底するべきかと思います。
1.自動車の窓開けは換気が不十分
先日、理化学研究所のコンピューター「富岳」による飛沫の動きのシミュレーション結果が報告されましたが、その内容は驚くべきものでした。
従来、自動車に乗るときのコロナウィルス感染予防策では、窓を少し開けて換気を行うのが有効であるとされてきました。
シミュレーションでは、運転手+後部座席の客2名、合計3名のタクシーの場合が想定されていました。
しかし、今回行われたシミュレーシによれば、自動車の窓開けでは、車内の換気は十分に行われないとのことです。
2.シミュレーション
(1)流れ
・まず窓を全部閉める。
・エアコンを通常換気(外気取り入れモードにして風量ツマミを「中」)の状態にする。
①車速を40km/hにする。
②窓を5cmだけ開ける。
(後部座席左のみを開ける、および運転席と後部座席左の両方を開けるの2パターン)
③車速を20km/hに変更する。
(2)検証結果
①40km/h走行で、後部座席左の窓のみを開ける場合
⇒換気量は、窓を全部閉めて走行するときに比べて、25%程度増えた。
換気効果は多少上がった程度であった。
②40km/h走行で、運転席と後部座席左の窓の両方を開ける場合
⇒換気量は、①のときと同じぐらいの量であった。
換気効果は①とあまり変わらなかった。
③20km/h走行で、運転席と後部座席左の窓の両方を開ける場合
⇒換気量は、窓を全部閉めて走行するときと同じぐらいまでに減った。
換気効果はほとんどなかった。
窓開けして車速を上げると、換気量は増えたが、その分の換気は、窓の周辺部だけに限られるようである。
④運転手が咳をした場合
⇒運転席と後部座席左の窓の両方を開けていたとき、運転手の飛沫の4分の1が、20秒で運転席窓から放出された。
ここで、運転席まわりにパーティションを設置すると、運転手の飛沫の半分が、20秒で運転席窓から放出され、後部座席への飛沫の到達量が減った。
⑤後部座席の客が咳をした場合
⇒運転席と後部座席左の窓の両方を開けていたとき、後部座席の客の飛沫はあまり外には放出されなかった。
ここで、運転席まわりにパーティションを設置すると、後部座席の客が直接前に飛ばす飛沫はパーティションで遮られた。
⑥窓を閉めた状態でのエアコンの通常換気は、換気量がわりと多かった。
さらに、通常換気を最大換気に変えると、換気量は2倍近くに増え、空気の入れ替え時間も半分ぐらいに縮まった。
エアコンの風量が通常以上の換気は、窓開けによる換気よりも効果があると考えられる。
ただし、エアコンを使用する場合、飛沫やエアロゾルは、急速に車内に拡散する。
エアロゾルへの防御は完全にはできないが、マスクをしていれば、自ら飛ばす飛沫の70%ほどが抑えられて、エアロゾルの発生量が減る。
マスクの着用で、感染リスクは減らせれる。
3.対策
タクシーでの対策は、
1.全員が必ずマスクを装着する。
2.エアコンを外気取り入れモードにして、風量を通常以上(できれば最大)にする。
そして、より効果的なのが、さらに
3.パーティションを運転席と助手席まわりに設置する。
この場合、運転席の窓を5cmぐらい開けてもよい。
助手席に人がいる場合は、助手席の窓も同様に開けてもよい。
一般の自動車でも、タクシーでのやり方をできる範囲で取り入れるのがよいように思えます。
しかし、エアコンによる強制換気とはいえ、大きい車になると換気時間が長くなるので、その点は気がかりです。
また、シミュレーションでは、対角2か所または後部1か所の5cmの窓開けでしたが、念のため、全部の窓を5cm開ける場合の確認も追加してほしかったところです。
マスクを着けていても飛沫は3割飛ぶということなので、
乗車する者どうしの距離が近い車の中では、マスクを着けていても会話をしないことが大切かと思います。
4.他の場面での結果
野外での集まりでのシミュレーションもされています。
風が吹いている場合、野外にいてもお互いの距離が近ければ、風下の人は相当量のウィルスにさらされる恐れがあるそうです。
屋外でも必ずマスクをするか、もしもしない場合は、距離を広くとる必要があるそうです。
その他、カラオケ、通勤電車、飛行機などについてもされています。
この記事のソースは、以下のサイトで確認できます。
2020年11月28日