円安の極端な進行が起きている 止めないと日本経済は活性化どころか衰退かも
ドル円が先日160円を超えましたが、その後、159円代に落ち着いたところで、急激に円高が進み、現在(4月29日夕方)は155円代になっています。
為替介入が行われた可能性がありますが、定かではありません。
為替介入は今後、幾度となく行われると思いますが、何らかの恒久的対策も必要になってくるかと思います。
輸出産業が活性化されるので経済も上向くという話がありますが、個人的には逆に下向くと思っています。
なぜなら、世界的に食料や原材料、石油の価格が上昇傾向にあるので、円安が進めば、輸入コストは増大します。
そうなると、製造にかかわるコストが上がるため、企業は収益を出すために売値を上げることになります。
賃上げをしている企業の場合は、その分も加算されるので、売値はさらに上がることになります。
円安がさらに進めば、商品の値上がりもさらに進むので、消費者の収入がそれに追いつかなくなって、逆に消費意欲は下がっていきます。
今の円安水準ぐらいまでなら、商品の値上がりも大きくないので輸出業は儲かりますが、円安が進みすぎると輸出業も逆に業績は悪化すると思います。
人口減少も起きているので、生産性が上がらず、商品の値上がりだけが加速するだけです。
日本に来る外国人を相手にする業種の場合、商品の値上げをしても、外国人は多少許容してくれるかもしれませんが、国内の消費者向けの産業の方はことごとく打撃を受けます。
また、輸入品がどんどん値上がりすれば、食料や燃料が満足に買えなくなり、ゆくゆくは国民の生活に問題を生じさせます。
政府は救済処置で補助金を出すことになると思いますが、これにより国の借金がさらに増え、将来の増税を引き起こします。
ならば、国内産の食材があるじゃないかといいますが、国内産の食材の加工等には、高騰した価格の燃料が使われるので、国内産も値上がりが避けられません。
円安はここで止めないといけないと思うのですが、日米の金利差を縮めて円高に持っていこうとすると、日本は利上げをする必要がありますが、現状で大幅な利上げをしてしまうと経済悪化を招く問題があります。
また、利回りが増えるので国の借金は大きくなり、金融機関は大打撃を受けます。
そうなると、アメリカの利下げを期待するしかないのですが、アメリカもすぐには利下げをする可能性が低いようです。
しかし、何もせずに市場原理にまかせておくと、アメリカがようやく利下げに転じたときには、ドル円はかなり上がっている可能性があります。
欧米などと話し合いをして協調介入や過剰な取引の規制を行うべきかと思います。
2024年4月29日