イギリスの珍事 ネズミが台の上を片付けた理由 専門家の意見はこうだった 2023年秋

昨年(2023年)の11月、イギリスのウェールズのビルス・ウェルズにある民家の小屋で、ネズミが作業台の上を片付けるところが撮影されました。
そして、BBCが今年の1月初旬にこの出来事を報じました。

しかし、このような出来事が起きたのは初めてではありませんでした。

2019年にも、イギリスのウェールズの別の場所で同様のことが起こっていたのです。
そして、そのときも今回の当事者が様子を撮影しました。

このような事が起こった原因として、いったい何が考えられるのか、BBCーNEWSが報じた、ネズミが台の上を後片付けをした理由(専門家の考え)を以下に記述しました。

 

事の発端は、撮影を行った元郵便局員のロドニー・ホルブルックさん(75)が、鳥のために用意した餌(ナッツ)の一部が小屋の中に保管された靴の中に入っていたのに気づいたことでした。

そして、その後、さらに不可思議な事がおこりました。

小屋の中の作業台が前夜のうちに整理整頓されていたのです。
この現象は定期的に確認されました。
そこで、ホルブルックさんは、作業台の上に暗視カメラを設置して、作業台の上で何が起こっているのかを確認することにしました。

すると、ネズミが、作業台の上に置かれた洗濯バサミやコルクの栓、ボルトなどの部品類を、鳥の餌が入っているトレーの中に次々と入れていくところがカメラに映し出されていたのです。

 

 

1.ホルブルックさんがネズミの片付けについて話したこと

 

「後片付けは2カ月ほど続いています。」

「100回中99回は、片付けがされています。」

「作業台上にある全ての物をトレーに入れたのは本当に信じられないことでした。」

「おそらく、この片付けを楽しんでいるのだと思います。」

「物を使って箱の中のエサ(ナッツ)を隠すことが彼らの目的だと信じています。」

「長い結束バンドをトレーに運んでいるのを見ると、何の問題もなく物運びをこなしている感じがします。」

「彼らがどんな物を持ち上げることができるのか、試しにいろいろな物を追加して様子を見ようと思っています。」

「私は片付けをしないでおきます。私が片付けをしなくても彼らが朝までに片付けをしてくれますよ。」

「妻をここに置いておけば、彼らは妻も片付けてくれるでしょう。」

 

 

2.ネズミが片付けを行った理由:専門家の意見

(1)ギャレス・デービス氏(害虫駆除の専門家)

 

「ネズミが片付けをしているわけではないと思います。」

「安全な場所を作って、役に立ちそうなものは何でもため込んでいるのだと思います。」

「ネズミがため込んだ箱の中に、金属製のボトルのふたが40個入っているのを見たことがあります。」

 

 

(2)メーガン・ジャクソン博士(ブリストル大学)

 

「おそらくネズミは周囲を偵察して巣に使えそうなものを見つけ、安全そうな場所にそれらを持ち運んでいるのだと思います。」

「以前、巣材を求めるネズミの採取行動を観察したことがありますが、そのときにもネズミが巣材を安全そうな箱の中に入れるという、今回によく似た行動を目撃しています。」

「その行動は本当に力強いものでした。」

「おそらくネズミに元来備わっているものなのでしょう。私たちはそれが何度も繰り返されるのを見ています。」

「箱が巣であれば、ネズミはそこを毎日荒らされるだろうと認識するはずですが、それでもネズミは箱の中に巣材を入れ続けていました。」

「ネズミはこの行動にやりがいを感じているのかもしれません。」

 

「ただし、今回の出来事には非常に興味深いところがありました。」

「運ばれた物の中に、巣材に適しているとは思えないものがあったのです。」

「通常、ネズミは構造がしっかりしたものを求め、さらにそれを暖かくするのに役立つものを求めるのです。」

 

 

 

ホルブルックさんの小屋で撮影された映像

 

実は、ホルブルックさんは5年前の2019年3月にも同じような体験をしていました。

 

当時、ホルブルックさんはビルス・ウェルズから南東へ100km近く離れたブリストルという街に住んでいました。

近所には友人のスティーブン・マッキアースさん(当時72)が住んでいましたが、この人の家の作業小屋でも同じようなことが起こったのです。

 

元電気技師だったマッキアースさんは、ある朝、工具を取りに作業小屋に入り作業台を見たところ、ピーナッツ(鳥のエサ)が入った桶の中にプラスティックのクリップとネジが入っていることに気づきました。

桶の中にはピーナッツしか入れないはずですが、その時は、自分がうっかり入れたのだろうと思い、気にとめることはありませんでした。

しかし、翌日もまた同じことが起こりました。

マッキアースさんは自分の頭がおかしくなったのではないかと思いました。

そこで、マッキアースさんは試しに桶の中のもの全てを作業台の上にばらまいて、次の朝、これらがどうなるのかを確認しました。

すると、これらのもの全てが桶の中に戻っていました。

 

家族からは、おばけのキャスパーでもいるんじゃないの、と冗談も言われ、マッキアースさんはこれはひょっとしたら心霊現象ではないのかと疑うようになりました。

不思議な現象は数日間続いたので、マッキアースさんは、近所に住むホルブルックさんに暗視カメラの取り付けをお願いしました。

そして、夜間撮影を行い、その映像を確認したところ、そこに写っていたのは、ネズミがばらかれた物を桶の中に入れていたところでした。

 

ネズミは、ほとんどの物を桶の中に入れました。

チェーンのようなごつい金属も入れていました。

かなり重いものも入れようとしましたが、さすがにこれは入らなかったようでした。

 

マッキアースさんの小屋で撮影された映像

 

このとき、後片付けを行ったネズミは一匹だけではなかったそうです。

ネズミは組織で動く習性があるそうです。

 

3.2019年時に現地の専門家が出していた意見

ネズミは自分たちが住んでいる場所の環境が変わることを嫌がることから、作業台の上にちらかったものを嫌がって綺麗にどかしたのではないか、ということでした。

ネズミには几帳面なところがあり、長く住んでいるところに何か変わったものが置いてあったりすると、それを別のところに移動させたりすることがあるそうです。

また、今回のネズミを「信念をもったネズミ(determined mouse)」と呼び、ネズミは清潔好きでかしこい動物だと言っていました。

 

いろいろな意見がありますが、ホルブルックさんが言っていた、自分たちのエサを隠すための行動というのも可能性が高い気がします。

 

 

ホルブルックさんは、全く別の場所で同じような経験をしました。

偶然とは言え、ネズミと何か因縁でもあるのでしょうか。

 

 

 

2024年1月10日