電動ドアミラーが動かず音が止まらない 応急処置はモーターの配線カット
先日、自分の乗っている車の助手席側の電動のドアミラーがいきなり動かなくなりました。
同時に、ドアミラーの内部にあるモーター音が鳴りっぱなしになり止まらなくなりました。
モーター音の鳴りっぱなしは、ドアミラーの格納(開閉)に使われている樹脂製のギアが割れたことにより、そこにつながっているモーターが空回りしてしまったことが原因のようです。
この状態のときには、ドアミラーの電動格納が不可能になります。
これを修理するためには、ドアミラー(新品が望ましい)ごと交換するか、あるいは、モーターが組み込まれたユニットを交換するのが一般的な方法です。
ホンダ車は、後者の方法ですが、ディーラーでユニットを交換してもらうと2万円近く、ユニットだけ購入して自分で交換しても1万円近くはかかります。
前者のドアミラーごとの交換の場合は、もっと金額がかかります。
とりあえず、モータ音だけは止めたかったので、そのための応急処置を行いました。
行ったことは、格納用モーターの配線を切断するだけです。
その後で、モーターユニットを交換するのか、何もせずにドアミラーの格納動作なしで乗るのか、を決めようと思っています。
モーターの配線カットは、ディーラーでも数千円出せば、やってもらえるようですが、個人でも簡単にできる作業なので、その方法について、以下に書きたいと思います。
1.作業前に確認すべきこと
配線カットの位置が、車のどの部分になるのかを事前に確認しておきます。
ディーラーに確認するのが一番かと思います。
多くの車の配線カットの位置は、ドアの内張りによって隠れたところにありますが、車によっては、内張りがないところにあったりします。
ここで紹介するのは、配線カットの位置が内張りの奥に隠れているホンダのフィットに対する作業です。
2.用意しておくもの
(1)内張りはがし
(ホームセンター、カーマで購入可。値段は700円ぐらい)
(2)デジタルテスター
(ホームセンターで購入可。値段は2000円ぐらいから)
(3)精密ドライバーセット
パワーウィンドウのコネクタの爪を押すために、この中に入っている小型のマイナスドライバーを使用(100円ショップで購入可)
(4)プラスドライバー
(5)ビニールテープ
(6)手袋(軍手でも可)
(7)ニッパー
(8)マスキングテープ(傷防止用、必要に応じ)
3.作業手順
(1)車を作業できる場所(自分の家など)に移動してから、エンジンを切る
ミラーが、もしも閉まった状態になっていた場合は、手で前に押して、開いた状態に戻します。
(ミラーは、力をかけて押せば位置をずらせる構造になっています。)
ミラーを倒したままで走行すると違反になるので要注意です。
(2)ドアの内張り外し作業を行う
①プラスドライバーを使って、インナーハンドルと内張りを固定しているビスを外します。
②内張りはがしを使って、ドアアームレストの側面カバーを外します。
内張りはがしは樹脂製ですが、引っかけたりすると白いすじを付けてしまう恐れがあります。
慣れないうちは、内張りはがしが当たるところにマスキングテープを貼って養生した方がいいと思います。
③パワーウィンドウのコネクタを外します。
コネクタは、爪を押さえながら引けば抜けます。
もし、爪が指で押しにくい位置にある場合は、小さいマイナスドライバーを使って爪を押さえます。
④プラスドライバーを使って、内張りを固定しているビスを外します。
⑤内張りの真ん中から下側の隙間に内張りはがしを差し込んで、内張りを外します。
ここでも、内張りはがしで引っかける恐れがある場合には、マスキングテープで養生するのがよいと思います。
内張りを外すときには少し力がいりますので、軍手などの手袋をはめるようにします。
まず右側の1か所に、内張りはがしを差して、テコの要領で内張りを浮かせ、次に左横の箇所に内張りはがしを差して浮かせ、隙間が大きくなってきたところを手でつかんで手前に引っ張ります。順番に右から左に浮かせながら引っ張っていき、最後に上の方に持ち上げて外します。
(3)格納用モーターにつながっている配線を特定する
格納用モーターの配線は、ミラーのウィンカー、鏡面の位置調整用モーターなどの配線と束になっています。
間違ってこれらの配線を切らないように、配線の特定は慎重に行います。
配線を切らずにコネクタから引き抜くという手もありますが、引き抜くのは少し難儀するので、ここで行ったのは配線カットです。
のちにモーターユニットを交換する際には、配線と電動ドアミラー側のコネクタも新品に入れ替わるので、配線カットをしても問題なしです。
配線をコネクタから引き抜く場合には、専用工具または0.9mm以下のミニマイナスドライバーを使うのが得策です。
格納用モーターの線は、大体が白色と黒色になっていますが、作業を確実にするために、テスターで電気の流れを確認して線を特定します。
⑥内張りを外すと、下の写真のようになります。
右上にあるドアミラーのコネクタを電源のコネクタから外します。
⑦エンジンをかけて、ドアミラーに電気が流れる状態にします。
⑧デジタルテスターをDC(直流)モードにして、テスター棒プラス、マイナスの2本を電源のコネクタのピン各々に当てていき、プラス12vまたはマイナス12vが表示されるピン(2か所)を探します。
ここでは、リード線の差し込み口側からテスター棒を当てました。
⑨プラス12vまたはマイナス12vが表示されるピン(2か所)を見つけたら、その当てたピンの位置とピンに当てたテスターの棒の色を覚えておきます。
⑩ドアミラー格納用のスイッチを切り替えます。
⑪再度、同じピン(2か所)にテスター棒を当てます、
このときにプラス12vの表示がマイナス12vに、あるいはマイナス12vの表示がプラス12vに変わったならば、その2か所のピンが、格納用モーターにつながるピンということになります。
⑫エンジンを切って、ドアミラーに電気が流れない状態にします。
⑬目視で、このピンに該当する相手側(ドアミラー側)のコネクタピンを特定します。
このピンにつながる線が格納用モーターのリード線ということになります。
(4)格納用モータのリード線をカットする
⑭特定したリ-ド線2本のうちの1本、どれでもいいのでニッパーでカットします。
(もちろん2本カットしてもOKですが、1本カットで十分です。)
カット後のリード線はビニールテープを巻き付けて絶縁します。
⑮お互いのコネクタをつなぎます。
(5)終わったら元にもどす
モーター音が止まったこと、鏡面の可変、ミラーのウィンカーなどの動作に異常がないことを確認し、問題がなければ、逆の手順で元に戻します。
内張りやドアアームレストの側面カバーは簡単にはまります。
自分が使用した内張りはがし
エーモン工業 型式:1427
楽天で購入する場合
2022年5月8日