あおり運転の厳罰化がいよいよ始まる 各個人が気をつけるべき点とは
いよいよ、6月30日より、あおり運転を厳罰化した改正道路交通法が施行されます。
従来、あおり運転そのものには法律上の罰則がありませんでした。
そのため、あおり運転に関する事件に関しては、道路交通法上の車間距離保持義務違反や、刑法上の暴行罪、強要罪などを適用して対処がされていました。
しかし、今回の改正道路交通法の施行により、今後は、あおり運転そのものに対して、新たに制定された「妨害運転罪」という罰則が適用されるようになりました。
これにより、あおり運転による道路上での危険行為に対しては、運転免許の取り消しを加えた厳しい処罰が科されることになりました。
この件に関して、各個人はどのように対応していくべきなのかを以下に書いてみたいと思います。
1.ドライブレコーダーで記録を残すこと
あおり運転の状況を確実に警察に伝えるには、車にドライブレコーダーを装着して、事件の状況を映像で残すことが不可欠です。
映像による証拠がないと真実が証明できす、事件の解決が困難になる恐れがあります。
ドライブレコーダーにはピンからキリまでありますが、なるべくなら、前面、後面だけでなく、側面も撮影できるものを選ぶのがよいと思います。
なぜなら、信号待ちのとき、または加害者によって無理矢理、車を停車させられたときに、加害者が運転席側に詰め寄ることがあるからです。
また、加害者がドアミラーを破損させたなど、車を傷つけられたときの状況も映像に残しておきたいからです。
360°方向を撮影できるドライブレコーダーが望ましいですが、これは価格が高いので、金銭的事情に応じた機種を選べばよいかと思います
2.絶対に相手にしないこと
あおり運転をされると、された側も当然頭にきます。
報復をしたい気持ちに駆られることもあるかと思います。
しかし、ひとたび報復すれば、それがお互いの報復合戦に発展して、そのあげくに、周囲の車を巻き込んだり、重大な事故をひきおこしたり、自らが危険運転や暴行を犯してしまう可能性があるのです。
逆にあおり運転をされた側の方が、かえって重い罰則を受けてしまうということもあり得るのです。
大事なのは、冷静になって相手にしないことです。
些細なことと思って流すことです。
あおられたからあおり返すなんてやめましょう。
危険行為にさらされたら、絶対に外には出ず、窓ガラスを閉め、ドアもロックして、車内から電話で警察に連絡をしましょう。
下の動画は、5月13日に愛知県の名神高速道路一宮インター付近で発生したあおり運転の映像です。
白のワゴン車が、撮影者の車に幅寄せや進路妨害、急停車をするなどの危険運転を繰り返しています。
事の発端は、冒頭のシーンで追い越し車線を走っていた白のワゴン車が、インターから出るために一番左の車線にいきなり車線変更したところにあります。
(1)車線変更してきた白いワゴン車が、撮影者の車の前に入ろうとしたちょうどその時に、撮影者の前を走る車が減速したので、白いワゴン車は、ブレーキをかけながら撮影者の車の前に入っていきます。
(2)白いワゴン車は、撮影者の車の前に入ったところで、ブレーキを離しますが、すぐにまたブレーキをかけます。
(3)白いワゴン車が、前に離れていきます。
(4)撮影者の車が、白いワゴン車の後ろに詰めていきます。
このときに白いワゴン車が、再びブレーキをかけます。
(5)そしてこの後に、白いワゴン車の危険行為が始まります。
このあたりの出来事が、白いワゴン車の危険行為につながったのでないかと思われます。
問題は、白いワゴン車が車線またぎで、無理して割り込んだことです。
交通量が多い状況でのこの行為は、非常に危険です。
白いワゴン車は、このインターで出るのであれば、前もって左車線を走っていなければなりません。
しかし、このドライブレコーダーの映像によって、白いワゴン車を運転していた加害者は、暴行の疑いで逮捕されるに至りました。
暴行罪の場合は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されますが、6月30日以降に、このような運転をする者には妨害運転罪が適用されて、3年以下の懲役または50万円以下の罰金(著しい危険行為を行った場合は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金)、
そして、運転免許の取り消しが科されることになります。
配信元(中日新聞社電子編集部)
以下は、安価な360°撮影タイプのドライブレコーダーの例です。
2020年6月24日