もしも愛知県の湾内が津波に襲われたら。侵入ルートはどうなる。

先日、NHKの番組で首都直下地震のことが取り上げられていました。
首都直下地震と南海トラフ地震は近い将来に発生する確率が高く、
南海トラフ地震においては、今後30年以内に80%近い確率で発生するだろうと予想されています。

愛知県は南海トラフ地震の発生が大きく影響すると思われますが、もしもこのときに津波が愛知県の湾内を襲った場合、津波はどのようなルートで侵入するのか調べてみました。

 

愛知県の湾内の地図

 

調べたところ、愛知県を襲う津波のシュミレーションについての文書がWEB上に公開されていました。

文書名;「伊勢湾・三河湾における津波最大水位と到達時間の空間分布に関する考察(土木学会論文集)ideacon.jp/technology/paper/pdf/201606p_03.pdf 

文書(PDF)は下からダウンロードできます。

⇒ 文書

以下に文書の一部を引用します。

 


(注)このシュミレーションは、津波の高さが3メートルと想定した場合のものです。
これより大きい津波の場合は、状況が変わる可能性があります。

 

 

引用ここから⇒

津波の侵入過程(H=3m、T=3000sの場合)、

Hは入射波の波高、Tは周期です。

上から順に。

 

水位伝達率(H=3m、T=3000sの場合)

 

 

 

⇒引用ここまで

 

湾軸方向からの津波をもろに受ける知多半島先端部周辺や湾口部では、水位がかなり高くなるようですが、反射した波や湾軸方向以外に向かう波は水位が低下するようです。

すぐ上の文の赤のアンダーラインで示す箇所や湾口部、小島が津波被災危険度の高いところになりますが、これらの箇所は、最大水位の津波の到着時間が短いので、大きな揺れや警報があったらすぐに避難するべきです。

それ以外の箇所は最大水位の津波の到着時間が少し長いので、適切な情報の提供があれば避難の時間は確保できるようです。

 

また、津波の時には、河川津波も注意しなければならないそうです。

東日本大震災の時は河川津波による被害も多かったようです。

河川津波は河川を遡上する津波のことで、その速度は津波が地面を這う速度よりもはるかに速いそうです。
そのために、川の上流で氾濫した河川津波に巻き込まれたり、河川津波と陸から来る津波にはさみ打ちにされたりする恐れがあるので、津波が発生しているときには河川に近づいてはならないそうです。

東日本大震災の時の河川津波では、河口から10キロ以上も遡上して氾濫したものがありました。
北上川では河口から50キロ近い上流の地点でも津波の遡上が観測されているので、川が流れている地域は、たとえ海岸から遠く離れていても安心してはならないそうです。

 

参考として東日本大震災のときの河川津波の動画をUPしました。

 

2019年12月8日