陣座峠を越えた徳川家康
今日は陣座峠を越えた徳川家康について書いてみたいと思います。
NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」が佳境に突入してきました。
話は、いよいよ遠江が徳川によって席巻されていく段階に突入し、それに伴い、今後、井伊家が徳川家とどのように関わっていくのか、また、 強敵である武田信玄とどのように戦っていくのかというところが、ドラマのポイントになっていくような感じになってきました。
直虎がいかにして虎松を家康のもとに仕官させるかというところは興味深いところです。
先日のドラマでは、徳川家康が三河と遠江の国境にある陣座峠(じんざとうげ)を越えて井伊谷に侵攻する場面がありましたが、この徳川家康による陣座峠越えは、
「日本の行方を大きく左右させた一大イベントである。」と言っても過言ではないものです。
家康は駿河の今川氏真を攻めるため、当初、豊川の牛久保城から街道を東に進み、本坂峠(あるいはその北側にある中山峠)を越えて浜名湖北岸沿いに侵攻しようとしたのですが、「浜名湖北岸には大勢の抵抗勢力がいる」という知らせを受けたため、急遽、侵攻ルートを新城の山中を迂回して井伊谷に入るルートに変更しました。
事前に家康は、井伊谷によしみのある今川家の家臣たち(井伊谷三人衆)を味方に引き入れることに成功していたので、変更したルートを進んだ徳川軍は、何ら抵抗を受けることもなく途中にある陣座峠を越えて遠江に侵入することができました。
もしも徳川軍が浜名湖沿いのルートを進んでいたら、抵抗勢力の猛攻によって家康の身には危険が及んでいたかもしれません。
愛知県新城市と静岡県浜松市との県境にある現在の陣座峠は、県道のルート上にあります。
しかし、峠の付近は道幅があまり広くなくカーブも多いので、車は慎重に通行する必要があります。
ほとんどの車は、北の方にある国道257号線 という整備された道路を通って県境を越えています。
豊川市から陣座峠に至るまでの県道の途中には、徳川家康が遠江攻めの途中に立ち寄って戦勝祈願をした賀茂神社(豊橋市賀茂町)や、井伊谷三人衆の一人である近藤康用(こんどうやすもち)が居城としていた宇利城(新城市中宇利)の址があります。
これらのスポットは、立ち寄って歩いてみるのにはいいところです。
また、陣座峠から見た東側(浜松市側)の景観はよく、雲がない澄み切った晴天の日であれば富士山を見ることができます。
(富士山は、峠から浜松市側へ下りはじめた所で見れます。ただし、走る車からは数秒間しか見れません。
付近の道路わきに車を止めるスペースがあるので、そこに車を止めて見るのがよいと思います。対向車にはご注意を。)
陣座峠は、車でも簡単に乗り越えれてしまう地味な峠ですが、徳川家康の天下統一への第一歩となったこの場所に思いを馳せてみるのもいいかもしれません。
1⇒牛久保城
2⇒賀茂神社
3⇒宇利城
4⇒陣座峠
5⇒井伊谷城
2017年8月19日